◇◆◇◆◇ 2008年(平成20年)1月31日 木曜日 繊維ニュース ◇◆◇◆◇
『ネットショップ隆盛』 甲府ユニホームセンター
− 業界最大手はこう見る −
インターネット通販でユニフォームも多数流通している。ユーザーにとって「ネットは
便利で当たり前」となった今、各社はどこで差別化していくのか。2008年、オンライン
通販はさらに増大していくのか。「電話対応に十分な人手をかけ、対応は丁寧に、顧客にス
トレスを感じさせないこと」と、オンラインショップ「UNIFIS(ユニフィス)」を運営する甲
府ユニホームセンター(山梨県)は言う。サイトの充実とともに人的なフォローを優先課題に挙げる。
「ユニフィス」はオフィス、ワーキング、サービス、白衣などを扱い、掲載数は20万点、
現在でも1日に1000人ずつ新規の訪問が増えているというオンラインのメガショップ。00年3
月にショッピングモール「キュリオシティ」内で開店したが、「既成のシステムが制服販売
に向いていない」と認識して、独自にドメインを取得し、自社開発のシステムに移行。ネット上で早々に「独立」した形だ。
オンラインショップの開設は「代理店としての責任を考えたとき、弊社と取引のあるメーカーの製品を広く販売すること、ブランド啓もうを進める」(同社)効果に期待したため。
当初は売り上げより、カタログ無料発送などの先行投資を代理店側の負担とし、利益が出な
ければいつでも撤退できるよう、組織を大きくしなかった。一方、初めてネット取引する企業
の担当が多かったため、快適さを体感してもらえる店舗形態を追求。先駆者として「将来的な
市場に育てる責任」も感じていた。
顧客には販売価格を明朗表示できること、自社では内勤のため身体的な負担が少なく女性が
活躍できる。アパレルメーカーにとってはブランド啓もうや新規市場の開拓ができる。三者に
メリットがある。
業界も未知数の形態だけに、良く言えば自由、悪く言えば「野放し」だ。新規参入も多く
「今
後はさらに競争が激しくなって、少ないパイを取り合うような状態になる」と同社は予測する。
業界内の課題となっているカタログ画像の二次使用については、メーカーで作るレディース
ユニフォーム協議会が業界努力によるルール化を働きかけているが、すべてのショップと合意する
ことは物理的に困難だ。同社はメーカーごとに対応しており、明確な了承があった場合を除き顔は
露出させていない。
「これまで通り、迅速見積もりなどでスタッフがお客様に対して、親切に対応できるような環境を
整備していく」とし、ユーザー視点で市場を静観する。